リハビリに効果的なバランストレーニングとは?

高齢になったり、手術後ではバランス能力が低下してしまいます。
バランス能力が低下した状態で無理に日常生活を送ると転倒し、骨折して更に身体能力の低下を招く負の連鎖が続きます。
こういった、いわゆるロコモティブシンドロームへのリハビリが大事な時代になってきています。
また、ロコモティブシンドロームだけでなくスポーツ外傷後のバランス低下に対しても同じようが言えます。
無理な競技復帰は更なる怪我を招きがちです。
そこで今回はリハビリで効果的なバランストレーニングをご紹介致します。
バランストレーニングの基礎についてはこちらの記事を参考になさってください。
Contents
リハビリに効果的なバランストレーニングとは?
リバビリで鍛えるバランス能力ってなに?
リバビリでは転倒しないようにすることを第一に考えていきます。
転倒しないためのバランス能力としてリハビリでターゲットになるのは姿勢制御能力になります。
姿勢制御能力とは環境にあわせて即座に身体の状態を安定させる能力のことを指します。
この姿勢制御能力もおおまかに以下の3つに分けられます。
- 足関節戦略
- 股関節戦略
- ステッピング戦略
足関節戦略
文字通り、足でバランスをとる能力を指します。
比較的小さな動揺に対して反応し、瞬時に反応できるのが特徴です。
高齢者ではこの足関節戦略の能力が低下していることが多く、つまづいて転倒することが多く見られます。
股関節戦略
例えば前に大きく体を倒しながら手を伸ばした時、多くの人はお尻を後ろに突き出してバランスを取ります。
このお尻を後ろに突き出す動きを股関節戦略と呼びます。
上記の通り比較的大きな動作を必要とする時に使われる姿勢制御のやり方になります。
ステッピング戦略
大きくバランスを崩した際に使われる姿勢制御を指します。
例えば不意に他人に押された時、その場にとどまることが難しい場合には人は一歩足を済む踏み出します。
このように一歩踏み出してバランスを取るやり方をステッピング戦略と言います。
特に鍛えるべきはどの戦略?
ロコモティブシンドロームや手術後の患者では股関節戦略を使うことが多くなります。
股関節は体の中心に近く、大きな動きが出やすい関節です。
そのため股関節戦略を使うことで大きな力を使うことなくシーソーのように体のバランスを取ることができます。
対して足関節は動き自体は小さな関節ですが体の中心からは大きく離れており、また全体重がかかる関節になります。
そのため、足関節戦略では大きな力が必要になります。
また、1人で動く際にステッピング戦略が使われるような場面はほぼありません。
突き飛ばされるような衝撃を受けてはじめて使われる姿勢制御になるため、リハビリでは安全面からステッピング戦略で身体を鍛えることはしません。
そのため、リハビリでまず最初に鍛えるべきは足関節戦略になります。
どんなトレーニングで足関節戦略は鍛えられるの?
足場の悪い場所で立ったり、運動することが基本となります。
足関節戦略では足関節周囲の筋力を鍛えることが大事になります。
足場の悪い場所で立つということは、それだけで足回りの筋肉に力が入るため、足関節戦略を鍛えるために効果的になります。
しかし本当に足場が悪い場所では周囲に掴まるものがないため、転倒する危険が非常に高くなります。
そのため、なにか器具を使って、手すりのそばなどでやることをオススメします。
以下、足関節戦略を鍛えるためにはオススメの器具をご紹介致します。
ストレッチボード
ストレッチボードではふくらはぎの筋肉の柔軟性向上だけでなく、足の指や甲の筋肉の強化、更に体幹強化にも繋がるためオススメです。
慣れてきたらストレッチボードの上で前屈したり、体を捻る、スクワットするなど運動強度を上げていきましょう。
ストレッチボードについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考になさってください。
エアスタビライザー
空気が入っているクッションのようなもので、不安定な足場を再現できます。
この上にまっすぐ立つだけでもかなり難易度が高く、この上でスクワットしたり片脚で立ったりすればかなりの負荷になるためアスリートにもオススメです。
ただし、危ないので必ず手すりなどすぐ掴まれるものの近くで行うようにしてください。
バランスディスク
板の下に球などがついており、シーソーのようにバランスを取る器具です。
エアスタビライザーと比較して足場そのものは板なので安定していますがほんの少しの力加減ですぐ傾くため、左右の足の筋力バランスを取る練習にはかなり効果的です。
まとめ
リハビリに効果的なバランストレーニングについて、以下の3点から説明させていただきました。
- 姿勢制御について
- どの姿勢制御を鍛えるべきか
- どんなトレーニングをすれば良いか
健康な生活と高いパフォーマンスを発揮するために、リハビリでバラントレーニングをすることは非常に大切なことです。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。